まずもって、令和6年能登半島地震で罹災された方々に心からのお見舞いを申し上げますとともにお亡くなりになった方々に哀悼の意を捧げます。我々は、被災地の一日も早い復興を願い各般の支援をする所存です。

まさに波乱の年明けを迎えた本年は、九星気学では「三碧木星」（さんぺきもくせい）若木、成長、活気の気であり、十干十二支では「甲辰」（きのえねたつ）始まり、のびる伸長を表象しており、元気でさわやかな象意にあふれる年にあたります。

また、玉島商工会議所はコロナ禍で実施を4年間延期しておりました設立80周年事業を終えたばかりでありますが、今年は設立85年を迎える年でもあります。昨年を振り返り、外部環境を概観すれば、世界では地球沸騰と呼ばれる異常気象の多発、さらにウクライナ、パレスチナでの戦闘が終息する兆しを見せず、燃料・食料などの価格高騰・供給不安を引き起こし、世界経済の不安材料となっております。また国内では、インボイス制度や電子帳簿保存法、いよいよ本番となる2024年問題対応など制度の大幅な改革がスタートしました。政治経済面では、岸田政権による税を巡る政策や自民党による不適切な政治資金問題で政治不信は募るばかり、また、保険金の不正請求や芸能界における性加害や自動車メーカーの脱法行為など企業統治の問題が表面化しました。これらは内部論理を盲信し自己欲望の達成を優先する余り、法や人間を軽視してしまう点で通底しており、社会の歪が顕在化したと言わざるを得ません。

地元では、新型コロナウイルス対策が5類になったこともあり、3ないし4年の間控えておりました事業が一気に通常のスタイルへと戻り、何かとイベントごとの多い年でありました。弊所でも4月の新倉敷駅に設置された駅ピアノ事業、8月には玉島まつり、9月に商工会議所設立80周年事業、引き続いてのハーバーフェスティバル、11月は玉島ふれあい物産展と年間を通して大きな事業を連続開催しました。これらの事業に対しまして会員事業所は元より岡山県・倉敷市さらには地域の関係者の皆様からお寄せ頂いたご厚情に高い所からではありますが、心からのお礼と感謝を申し上げます。

我が玉島を語る前に、昨年国内での出生者数は、速報値で72.6万人程、一昨年よりさらに5.8%減少しております。これは、将来にわたって生産・消費の縮小が確定されただけでなく、教育機関や生活の基盤全般にわたる縮小が否応なしに到来することを意味しております。ただ、玉島では直近5年ばかりでも微減ではありますが、人口は6万2千人弱で推移しており、減少数は市内同規模である児島地区と比較しても少なく、かつ出生者数は児島より多い状況が続いております。このことは、玉島地域にポテンシャルが存在している証拠です。玉島商工会議所は、人口減少下でも6万人の定住人口を保つ地域であり続けることを共通認識としております。

玉島商工会議所は、地域の財産である高速道路のIC、新幹線駅、国際コンテナ港、旧港・円通寺などを積極的に売りにして参りましたが、現状維持だけでなく、種を蒔き育てる活動に注力していかねばならないと痛感しております。3年前から始めたTIM（玉島イノベーションミーティング）は、今まさに玉島の新たな地平を創る起爆剤になろうとしております。商工会議所と地元高校生と大学さらには中央・地方官界、金融機関までを交えた若者を中心とする産学官金連携での地域活性化は全国の商工会議所でも例を見ない活動になっております。ネーミングは、玉島リバイバルを短縮して「タマリバ」まさに本年の年回りを象徴する若者・元気・成長が具現化されています。私は、今年のキーワードに、若者と勇気を掲げ、心に期すものがあります。若者の夢やアイデアに私たちも未来を重ね、応援し、投資するのはどうでしょう。必ずや玉島が伏竜から昇竜になるはずです。

今年は、我々にとって課題の多い年になりますが、現状を打破し一歩を踏み出す年にしたいものです。私共にとりましても大いに影響のある4月に倉敷市長選挙、10月には岡山県知事選挙も予定されております。地方公共団体の策定した地域総合計画に我々としての意見を表明しコミットメントしていかねばなりません。他人事でなく自分事として、モノ言う会議所になります。

本年の大きな楽しみは、富田東在住の倉敷市職員、大江祐弥さんが8月開催のパリパラリンピック、パラアーチェリー日本代表に最も近い位置にいることです。出場となれば多くの方々と大応援団を組んでパリに乗り込みたいと今からワクワクしております。倉敷・玉島の名を世界に轟かせてくれるものと信じております。

結びになりますが、皆様の知恵と情熱、さらに勇気と少しの資金を会議所にお寄せくださいますならば、地域に竜虎の勢いが現れると確信しております、何卒皆様方のご支援ご理解を賜りますようお願いをして年頭の挨拶と致します。

令和6年1月5日
玉島商工会議所　会頭　守永一彦